オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

覚悟を決めた俺

眠れない夜をやり過ごし、何とか彼女を迎えに行った俺。

睡眠不足での車の運転は、正直少しキツかった。

でも、自業自得だから仕方が無い。

俺がほぼ寝ていない事を知らない彼女は、いつも以上に元気一杯で車に乗り込んできた。

その明るい笑顔を見ただけで、俺の眠気は吹っ飛んだ。

その時は。

 

「今日は、何処に行きたい?」

「佐藤さんち!」

 

珍しいな。

もしかして、まさか。

俺の心に、ほんの少しだけ不安が過った。

 

俺の家に着き、玄関の扉を閉めたと同時に、彼女が俺に抱き着いてきた。

「早くこうしたかったの。」

甘えるような声で、彼女がそう言った。

やっぱり、そうか。

俺は彼女を抱きしめ、密かに覚悟を決めた。

こうなったら、倒れるまで頑張ろう、と。

 

途中、何度か意識が朦朧としそうになったが、俺は全力で彼女を抱いた。

感じてくれる彼女の表情が愛しくて。

一つ一つ反応してくれる事が嬉しくて。

睡眠不足という現実が吹き飛ぶほど、夢中になって愛し合った。

人間、やれば出来るんだな。

時折、冷静にそう思った。

 

お互いの汗が一つになり、心も体も満たされる静かな時間。

彼女が、ポツリと呟いた。

「佐藤さん」

「うん?」

「気持ち良かった?」

「うん。」

「もう他の人と出来ないぐらい?」

「うん。」

「どうして?」

「うん。」

「うん、じゃなくてー。」

「うん。」

 

さすがに限界だった。

俺は彼女を抱き寄せ、

「愛しているよ。」

そう言って、彼女を抱いたまま落ちた。

目を覚ました時、俺の寝顔を見つめていた彼女はこう言った。

 

「佐藤さんって、やっぱりラージヒル。」

 

夜寝ていない事が彼女にバレていなくて良かった。

俺は、彼女の鼻をつまんで笑った。