オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

好きな人の為に出来る事

 

「佐藤さんって、どうしてそんなに足が長いの?」

 

彼女の質問に、唐突過ぎてまたしても目が点になる俺。

どうしてって聞かれても、ね。

 

 

「どう見ても長過ぎるよー。」

「自分では思った事ないけど。」

「どうして?」

「どうしてって、普通だろ、これぐらい。」

「普通じゃないよー。不思議不思議。」

 

君の着目点の方が、よっぽど不思議だと俺は思う。

 

昨日、俺の服を見立てると言って張り切っていた彼女。

でも、既製品のパンツだと裾が足らなくて着れない俺に、上のような質問をしてきた。

初めての質問に驚いたが、そういう事を言い出す彼女も愛しく思えてしまう。

 

結局、迷いに迷ってパンツを2着買い、彼女が裾を仕立てる事になった。

でも、男物のパンツを家に持って帰る訳にはいかないから、俺の家でやってもらう事にした。

 

「来週の月曜日でも、いい?」

「いいよ。」

 

彼女は嬉しそうに、買った物を両手で抱きかかえた。

 

「好きな人の為に何か出来るのって、嬉しい。

私、いつも佐藤さんにしてもらってばっかりだから。」

 

俺にとって、彼女の為に何かをするのはごく当たり前の事なのに。

 

「俺が持つよ。」

 

そう言っても、パンツの入った袋を頑なに離さない彼女。

 

「だめ。これは、月曜日まで私のだもん。」

 

よくわからない理由だったけど、なんだか嬉しそうだからそのままにさせた。

 

俺のパンツの裾直し。

そんなに嬉しいのだろうか。

 

来週の月曜日。

彼女の体調が悪くならない事を祈るばかりだ。

あんなに楽しみにしているから。

 

結美

この週末、無理しないでゆっくり過ごすんだよ。

俺も、月曜日を楽しみにしてるからな。

 

君の楽しそうな笑顔。

それは、俺の宝物だ。