オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

そばにいてやれたら

 

今朝、彼女からメールが届いた。

 

「佐藤さんが、風邪をひいたから明日会えないって言ってた。」

 

ん?

俺、風邪なんてひいてないけど。

 

 

彼女は、よく夢を見る。

しかも、いつもそれを鮮明に覚えていて、セリフまでしっかりと記憶している。

 

そうか。

また夢を見たんだな。

それに気付いた俺は、彼女に返信した。

 

「大丈夫だよ。明日、ちゃんと迎えに行くから。」

 

彼女は安心したのか、笑顔の絵文字を送ってきた。

 

時々、真夜中に彼女からメールが届く時がある。

それは、大抵怖い夢を見た時だ。

 

「怖いよ。助けて。」

 

そばにいてやれない俺は、「大丈夫だよ、結美。」と返信する事しか出来ない。

もしそばにいてやれたら、抱きしめて安心させてあげられるのに。

いつも、そう思う。

 

感受性が強い性格を、彼女は自分の欠点だと言うけれど、俺はそんな風に思わない。

それも彼女の魅力の一つだと思うし、真夜中のメールも嫌だと思った事が無い。

ただ、そういう時にそばにいられないのが辛い。

 

もしそばにいたら、腕枕をして彼女を抱きしめ、心が落ち着くまで髪を撫でてあげたい。

安心してまた眠りにつくまで、彼女を見届けたい。

それが叶わない現実を、時々虚しく思う。

 

俺たちには「明日」はあるけど、「結婚」という未来は無い。

 

それは、割り切らなければならない二人の現実。

それでも、俺の彼女を想う気持ちは変わらない。