オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

手放せない

 

俺は、彼女と知り合った時、彼女が既婚者だという事を知らなかった。

付き合うようになってしばらくしてその事を知ったが、俺は彼女と別れる選択をしなかった。

 

 

結婚していたら、他の異性を好きになってはいけない。

結婚していたら、他の異性に抱かれてはいけない。

 

そういった倫理的な常識を、俺自身当たり前のように持って生きてきた。

俺は一度結婚しているが、その頃、そういう事は一切していない。

好きな人がいたら、その人だけを愛するのが普通だと思っていたから。

それは、今も変わらないが。

 

彼女が既婚者だと知った時、やはりショックだった。

でも、何となくそうじゃないかと思っていた部分もあった。

だから、その事実を聞いた時、「やっぱり、そうだったのか。」と思った記憶がある。

彼女は俺との別れを覚悟して打ち明けてくれたが、俺の気持ちは変わらなかった。

いや、変えられなかった。

 

彼女が既婚者であっても、彼女に変わりはない。

彼女の人間性や性格、声や表情までを好きになった後にその事実を知っても、もうどうにもならなかった。

 

彼女を愛する想いを、変える事は出来なかった。

 

彼女も、自分の立場を考えて思い悩む時がある。

決して、罪悪感を微塵も感じずに俺と付き合っている訳ではない。

だから、「離れなくちゃいけない」という思いが溢れた時、俺から離れようとする。

俺が離してやれば、彼女は楽になるかもしれない。

でも、俺にはそうしてやる事が出来ない。

もう、こんなにも愛してしまったら手放せない。

 

人を愛すると、毎日が喜びと幸せに満たされる。

でも、不倫の恋には、苦しみと辛さがそれに加わる。

理性では駄目だと判断しても、心や本能がそれを阻む。

 

 

俺は、彼女の苦しみも背負う覚悟でいる。

そして、彼女の人生の負担にならないように、立場をわきまえて行動している。

だから、いつも会うのは彼女の都合に合わせる。

自分の中の「会いたい」という衝動は、出来るだけ抑えるようにして。

 

これからもずっと、彼女と生きていく為に。