オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

首を絞めて・・・

 

「私は、佐藤さんのもの・・・?」

 

愛し合っている時、彼女は突然そう言った。

 

「あぁ、俺のだよ。」

「全部・・・?」

「全部、俺のだ。」

「じゃあ、もし他の人が私を抱いたら・・・?」

 

 

その時、多分俺が怖い目をしていたのだろう。

彼女は少しひるんだが、もう一度俺を怒らせる事を言い放った。

 

「もし、この胸に誰かが触れたら・・・」

 

俺は彼女の言葉を遮るように胸を強く掴み、少しお仕置きをしてやった。

わざと俺を怒らせるような事を言うから。

 

 彼女は痛みに顔を歪ませながらも、恍惚の表情を見せる。

まるで、始めからそうして欲しかったかのように。

 

君は、わざと俺を怒らせて俺の気持ちを確かめたいんだろ。

こうして手荒く扱われて、俺のものだと実感したいんだろ。

 

そんな君の幼い思考など、俺には全部お見通しだ。

 

でも、俺は胸の奥から湧き上がってくる嫉妬を自分でも感じていた。

他の男になど触れさせやしない。

君は、俺だけのものだ・・・。

 

俺の感情に気付いた彼女は、泣きそうな顔でこう懇願してきた。

 

「佐藤さん、お願い。首を絞めて・・・。」

 

 君は、何処まで俺のものになりたいんだ・・・。

そんな事までしなくても、俺の気持ちを確かめたりしなくても、君は俺のもので、俺は君のものなのに。

 

俺は彼女の上から、右手で頭を掴み、左手で首を絞めた。

 

「もっと強く・・・。」

 

どうして、そんなに幸せそうな顔を・・・。

 

彼女の心の切なさと苦しみが、真っ直ぐ俺に伝わってくる。

本当に俺のものになりたいという願いが、濡れた瞳から零れ落ちていくようだった。

 

苦しくなって咳き込む彼女を、俺は思いきり抱きしめた。

 

「結美、愛しているよ・・・。」

 

彼女は涙を浮かべ、ただ、優しく俺に微笑むだけだった。