オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

君しか愛せない

 

「佐藤さんって、飽きないの?」

「何を?」

「私のこと。」

 

また、彼女がおかしな事を聞いてきた。

しかも、やっぱり唐突に。

 

 彼女はよく不思議な事を言い出す。

それがまったく予想がつかなくて、俺はいつも面食らう。

でも、多分、色んな事を確かめたいという不安からきているのだと思う。

そういう所も含めて彼女の事が好きだから、答える事は面倒ではない。

 

「飽きないよ。」

「どうして?」

「どうしても。」

「でも、付き合いだしてもう3年半になるよ?」

「まだ3年半、だよ。」

「まだまだ足りないってこと?」

「そうだよ。全然足りない。」

「じゃあ、気持ちは変わってないってこと?」

「変わってないよ。」

「じゃあ、好き?」

 

さては、「好き」って言わせたいんだな。

ようし。

 

俺は車を止め、彼女を抱き寄せた。

そして、突然の事で驚いている彼女の両耳を手で塞いで小声でこう言った。

 

「好きだよ。」

 

「な、なになに?なんて言ったの??」

 

俺はクスクス笑いながら車を出した。

 

「もう一回言ってよー。」

 

少し拗ねたようにそう言う彼女が、俺は愛しくて仕方がない。 

彼女に飽きるなんて、まったく考えられない。 

 

何も心配しなくていい。

俺は君しか愛さない。

もう、君しか愛せない。