オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

彼女の瞳を守る為に

 

それは、日差しがとても強い日の事だった。

俺は待ち合わせの場所に車を止め、サイドミラーで歩いてくる彼女の姿を眺めていた。

すると、彼女の動きがおかしい事に気付いた。

 

彼女は下を向き、少しフラフラした歩き方をしていて、両手で顔を覆っていた。

俺は心配になり、助手席のドアを開けて彼女に聞いた。

 

「どうした?」

 

 

「目が・・・目が・・・。」

「目がどうした?痛いのか?」

「違う・・・目が、目が、五木ひろしみたいになっちゃう・・・!」

 

どうやら、日差しが強くて目が痛くなり、普通に開けられなかったらしい。

 

よし。

 

「サングラスを買いに行こう。」

 

俺は、眼鏡屋に向かって車を走らせた。

 

最近、夏のような暑い日が何度かあり、彼女とこんな会話をしていた。

 

「最近すごいね、日差しが。」

「そうだな。もうすぐ夏だからな。」

「なんか、車に乗ってても眩しいね。」

「じゃあ、サングラスをかけないとな。」

「でも、私買ったことないし、きっと似合わないよ。」

「大丈夫だよ。」

 

そんな事もあって、俺は迷わず買ってやる事にした。

彼女の瞳が紫外線に焼かれたら大変だ。

夏中、五木ひろしのままでも困るし。

 

眼鏡屋に入り、俺は彼女に似合いそうなサングラスを手にした。

 

「これなんかどうだ?」 

「そんな派手なの無理だよー。」

「じゃあ、これは?」

「それ男性用じゃない?」

「これ。」

「なんか変・・・。」

 

俺が選んだものは、ことごとく却下された。

 

結局、彼女は自分で気に入った物を選び、コンタクトレンズをしている時にかける為、そのまま購入して店を出た。

 

 「すごいすごい。全然眩しくなーい!」

 

そう言いながら空を見上げてはしゃぐ彼女。

嬉しそうな顔が見られて、良かった。

それに、これでやっと彼女の瞳を無事に守ってやれる。

 

「ありがとう・・・。」

 

いつもの、嬉しい言葉。

役に立てて良かった。

 

とっても似合っているよ。 

次のデートの時、持ってくるのを忘れないようにな。