オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

罪悪感など微塵も無い

 

俺と彼女が出会った頃、彼女は自分自身を傷付けるような生き方をしていた。

それは彼女なりに努力をしていた形だったが、俺からすれば決して見過ごす事の出来ない生き方だった。

 

俺は、そんなもがきながら必死に生きている彼女を放っておけなかった。 

だから、俺は彼女の腕を強く掴み、

「もうやめろ・・・。」

そう言って俺の元へ引き寄せた。

このままにしていたら、彼女はもっと傷付き壊れてしまう。

そう思い、彼女を俺との運命に引き込んだ。 

 

俺がお前を助けてやる。

 

俺には、その思いしかなかった。

 

 俺に救ってもらったと、今でも彼女は言う。

多分、危ない橋を渡っているという事を、多少なりとも自覚していたんだろう。

でも、彼女の周囲には、誰もそれに気付いてやれる奴がいなかった。

そう、旦那さえもだ。

 

「家庭」という枠組みの中で共に生きているだけで、旦那は彼女の心に目を向け、彼女の辛さや苦しみを見ようとはしなかった。

本当なら、彼女を真っ先に守らなければならない立場の人間の筈なのに。

 

俺は、彼女が結婚をしている事を付き合い出してしばらく経ってから知った。

その時、俺は思った。

何故、彼女は幸せではないのか。

何故、あんなにも寂しい生き方をしていたのか。

 

きっと、旦那にも言えず、自分なりに考えて必死に生きていたのだろう。

 

そんな無力な旦那に対して、俺は今、罪悪感など微塵も持たない。

旦那という戸籍上だけで繋がっている男より、俺の方が彼女を深く愛している。

彼女の事を誰よりも理解しようと努力し、心から大切に思っている。

 

旦那との結婚生活の中では感じる事の出来ない幸せを、俺はこれからも彼女に与え続ける。

彼女を守り、彼女を笑顔に導き、心も体も満たされる幸せを彼女に与えていきたい。

 

だから、彼女が結婚していても俺は構わない。

俺の彼女への思いは、旦那が足元にも及ばないほど深くて強いものだから。

 

俺は、俺にしか出来ない事をするだけだ。