オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

会いたい衝動

 

「もし、今会いたいって言ったら、来てくれる?」

 

昨夜、彼女がそうメールしてきた。

そんな事、聞かなくてもわかっているのに。 

 

昨日の彼女は、何だか様子がおかしかった。

俺に浮気をしてもいいよ、と言い出すぐらい。

 

きっと、またおかしな考えが頭の中を巡っていたんだと思う。

俺には、何でもわかる。

 

 自分は結婚している。

だから、俺の事を縛る事なんて出来ない。

してはいけない。

 

いつも自分の都合でしか会えない状況を、多分申し訳なく思い、そんな立場の自分を責めていたんだろう。

 

浮気してもいいなんて、本当は思っていないくせに。

もし本当に俺が他の女を抱いたら、悲しくて涙をぽろぽろと流すくせに。

 

「いつでも迎えに行ける。」

 

 俺はそう彼女に返信した後、本当に車を飛ばそうと思った。

彼女が出られないのがわかっていたが、本当に行こうと思った。

 

不安でいっぱいの彼女を抱きしめ、髪を撫で、すべての不安をかき消してやりたい。

そして、安心して夜が過ごせるようになるまで、そばにいてやりたい。

 

俺は、君が会いたいと思ったら、いつでもすぐに飛んで行くよ。

たとえ何時でも、何処にいても。

俺だって、会いたい気持ちは同じだ。

 

車のキーを握ったまま、俺は彼女の返信を待った。

 

「優しいね。ごめんね・・・おやすみなさい。」

 

やっぱり、出られないんだな。

そうだよな。

もう11時を回っている。

君が家を出られる筈がない。

 

俺は、車のキーを置いた。

 

俺は煙草に火を着け、大きく煙を吐いた。

彼女に会いたい気持ちと一緒に。

 

俺も、会いたいよ。

不安になっている君を、思いきり抱きしめたい。

そして、俺が他の女になんて興味が無い事も、こんなにも君を想っている事も伝えたい。

メールの文字なんかじゃなく、目を見て、体の温もりで伝えたい。

 

それが出来たら、君を不安から切り離してあげられるのに。

 

会いたいよ、俺だって。

会いたいんだよ、君に。