オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

俺を変えた彼女

 

俺は、普段は割と落ち着いている性格だが、車の運転が下手な相手の前では変わってしまう。

それを、彼女に何回か注意された事がある。

最近は、そんな事も無くなったが。

 

二人で車に乗っている時、俺はいつも左手で彼女と手を繋ぐか、彼女の左肩を抱いている。

偶然かもしれないが、俺が彼女から注意をされる時は、大抵彼女の手を握っている時だった。

 

運転の下手な人の車に遭遇すると、俺は苛立ちの感情を言葉にしてしまう。

そして、相手を軽く睨む癖がある。

更に、俺には自覚は無いが、彼女が言うにはどうやら舌打ちもするらしい。 

 

そういう時、彼女は決まって俺にこう言う。 

 

「そんなに怒ったらだめ!

あの人は、好きで運転が下手なんじゃないの。

たまたま、元々下手なの!

だから、運転が上手な貴方がどーぞって譲ってあげればいいの!」

 

俺の左手をギュッと強く握り、そう俺に向かって必死に訴える。

何故か、俺よりも怒っている。 

その時の顔があんまり一生懸命で思わず俺が笑うと、彼女は更に怒る。

 

「どうして笑うのっ。

私の言ってる事、ちゃんと聞かないとだめ!」

「聞いてるよ、ちゃんと(笑)」

「聞いてないっ 笑ってるだけじゃないっ」

 

彼女が怒れば怒るほど、俺は可笑しくて楽しくなる。

 

「大丈夫だよ。」

 

俺がそう言葉にする頃には、俺の中の苛立ちも消え、彼女も諦めて笑ってくれる。

 

彼女は言う。

「きっと、私は貴方のそういう所を直す為に貴方と出会ったのね。」

 

そうだな。

そういう事にしておこう。

 

でも、本当に。

俺は、彼女と出会ってから変わった。

友人にもよくそう言われる。

前より目が優しくなったとか、鋭かったオーラが消えたとか。

きっと、彼女のやんわりとしたオーラが、俺の気を変えてしまったんだな。

いい意味で。

 

人を愛し、人に愛されると、人は変われる。

俺が変われたのは、すべて彼女のおかげだ。

 

彼女には、いつも笑っていて欲しい。

いつも、幸せを感じていて欲しい。

 

俺は、その為なら何だってやる。

愛する彼女の為に。