オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

彼女の決断

 

翌朝、俺は一睡もしないまま、車で彼女を迎えに行った。

彼女は少し遅れて車の場所まで来たが、何か様子がおかしい。

俺は車から降りて駆け付けた。

 

「どうした?」

「お腹と腰が痛い・・・。」 

 

 俺は急いで病院まで車を走らせた。

 

俺たちは、待合室で名前を呼ばれるのを待った。

その間、彼女は俺の肩に頭を乗せ、俺は彼女の頭を左手で支えた。

 

彼女の名前が呼ばれ、彼女は診察室に入って行った。

「大丈夫。」

その言葉だけを残して。

 

診察を受けた後、俺たちは血液検査の部屋まで移動しようとした。

その時、看護師の人が車椅子を勧めてくれたが、彼女は「大丈夫です」と言って断った。

でも、採血の後、彼女の顔が急に青ざめていき、俺は彼女を引き止めて車椅子に乗るように言った。

 

「もう歩かない方がいい。」

「大丈夫・・・。」

「駄目だ、ちゃんと言う事を聞いて。」

「大丈夫だってば!」

 

廊下の壁にもたれて真っ青な顔をしていた彼女を、俺は両手を壁に付け、動けないように塞いだ。

 

「駄目だ!もう動くな!」

 

 そのやり取りを見ていた看護師の人が、車椅子を用意して彼女に乗るように促してくれた。

 

彼女はきっと、自分は大事にされていい存在じゃないと思っていたんだと思う。

多分、夜の間にもう結論を出し、自分自身を責めていたに違いない。

 一つの大切な命を闇に葬るような自分は、人に優しくされる資格など無いと。

 

車椅子で診察室に戻り、彼女は内診を受ける為に隣にある診察室に入った。

そして、内診が終わった直後、彼女の体に異変が起きた。