オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

授かった命

 

「女って、本当に人を愛したら、その人の子供が欲しいって思うんだね。」 

 

 彼女は赤ちゃんを抱いている女性を見て、そう呟いた。

 

「私ね、貴方にそっくりな男の子が欲しいんだ。

 成長するにつれて、どんどん貴方に似てくるの。

 でも、きっと貴方はヤキモチを焼くんだろうな。」

 

そう言いながら、彼女は遠くを見て微笑んだ。

そして、

 

「あの子、きっと可愛い男の子だったよ・・・。」

 

悲しそうに、そう言った。

 

彼女は一度、俺の子供を身籠った事がある。

でも、その子はこの世には生まれてこなかった。

 

いや、生まれてこれなかったんだ。

 

「生理が遅れてるから、妊娠検査薬で調べてみるね・・・。」 

俺は、彼女からの連絡を待った。

すると、陽性反応が出たというメールが届いた。

俺はすぐに返信した。

 

「明日、一緒に病院に行こう。」

 

彼女からの返信は無かった。

きっと、色んな事を考えていたと思う。

自分の家庭の事、これからの俺との事、そして、お腹に宿った子供の事。

 

夜遅くに、彼女から返信が届いた。

 

「うん。」

 

俺は、静かに朝を待った。