オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

彼女のすべてを守りたいのに

 

結婚をしている彼女は、週末は俺と会う事が出来ない。

それは、旦那に見られたら言い訳が出来ないからだと言う。

そんな考えを持つ自分がなんだかズルくて恥ずかしいと、彼女は俯いて話してくれた事がある。 

でも、俺はそんな風には思わない。

もし俺のせいで彼女の家庭で何か問題が起こったら、彼女が辛い目に遭ってしまう。

 

そして、もう二度と彼女に会えなくなってしまうから。

 

 既婚者の恋は、秘め事となる。

きっと、彼女は沢山の嘘をつき、心を痛めながら俺と付き合っている。

でも、俺は独身だから、近所の人に見られても全然構わない。

以前、そういう機会があった時、彼女は俺にこう言った。

 

「ねぇ、私なんかがご挨拶して良かったのかな・・・。」

 

俺は、笑顔で彼女の髪を撫でた。

彼女も柔らかく微笑んだ。

でも、心の中では複雑な思いでいっぱいだったと思う。

彼女の不安気な表情を見た時、俺は気付いた。

 

彼女と俺では、心の負担に大きな違いがあるという事を。

 

俺には自由があるけれど、彼女には無い。

俺は誰の目も気にならないけれど、彼女はいつも視線に怯えている。

 

その気持ちをもっと大事にしてあげないといけないと思ったけれど、俺の地元では、もっと自由に心を解放して欲しい。 

俺の彼女だと、もっと自信を持ってもらいたい。

そう思った。

 

彼女は結婚している女性。

 

そんな現実、嫌というほどわかっている。

その事実を知った後も、俺の彼女に対する気持ちは変わらない。

でも、時々俺もどうしようもなく切なくなる。

もし彼女の体に何かあった時、すぐに動けるのは一緒に暮らしている旦那だ。

彼女が急に体調を崩して病院に担ぎ込まれても、俺はいつものように車を飛ばして駆け付ける事が出来ない。

もし何かあっても、彼女の元へは飛んで行けない。

 

俺だって、彼女の世界にとっては陰の存在だ。

 

考えても仕方のない事だとわかっていても、辛くなる時がある。

本当なら、俺が彼女のすべてを守ってやりたい。

 

そんなジレンマを感じても、俺は俺にしか出来ない事をするだけだ。

彼女を、心から愛しているから。