オレガオモウコト

俺の愛している人は、結婚しています。

一緒にいられるだけでいい

 

俺と彼女は、よく一緒に買い物に行く。

もっぱら俺の地元の方で。

 

カートにカゴを二つ乗せて、

それぞれの家で使う食材を見て回る。

その時、俺たちはいつも必ず手を繋ぐ。

 

何処を歩いていてもそう。

俺の左手はいつも、彼女の右手を待っている。

彼女の右手が、いつも俺の左手を探しているから。 

 

 腕を組むことは、あんまりない。

温もりが伝わって来ないから。

 

 スーパーで買い物が終わった後、

前に彼女がこう言ったことがある。

 

「一緒にお買い物をするのは楽しいけど、買ったもので一緒にお料理出来ないの、寂しいな。」

 

俺は、ただ微笑んだだけだった。

すると彼女は、こう続けた。

 

「私が、そうさせてるんだよね・・・。」

 

自分を責めるのは、彼女の悪い癖。

俺は、こうして一緒にいられるだけでいいのに。

 

彼女は既婚者。

俺は独身。

 

その環境の違いは、どうにもならない。

どうすることも出来ない。

 

子供に愛情を注ぐ彼女に、俺は離れろとは言えない。

だから、今のままでいい。

 

今のままでも、俺は幸せだから。